コラム

 公開日: 2015-06-15 

ドキュメンタリー映画「イヴ・サンローラン」を『終活の観点』から見てみる。

こんにちは☆
富山の墓石専門店㈱スナダ石材の墓石アドバイザー、砂田嘉寿子です。

先日、スナダ石材・ニュースレターの人気コーナー(私がそう言ってるだけですが笑)の『有名人のお墓』に、ちょうど7年前の6月に亡くなった偉大なクチュリエ、イヴ・サンローランを取り上げようと、ドキュメンタリー映画「イブ・サンローラン」を観てみました。

残念ながら私はイブ・サンローランの服も香水も化粧品も持ってませんが、モードの世界にはそれなりに興味がありまして。

若い頃はアパレル販売員だったので、モードの世界を売り場のディスプレイやレイアウトに反映させようと、ファッション系の雑誌をむさぼるように読んでいた当時をかすかに思い出しながら、「イヴ・サンローラン」を観ていました。

が、意外や意外。
このドキュメンタリー映画は、ファッションとアートの世界の話でありながら、私達誰しもに起こるであろう「共に暮らした人との別れ」というテーマが見え隠れしていたのです。

イヴ・サンローラン

サンローランのパートナーが行った「遺品整理」と「生前整理」

この映画は亡きサンローランの軌跡にスポットを当てたというより、亡き後に残されたパートナーであるピエール・ベルジュの視点を通したサンローランと彼の死後のベルジュにスポットがあたっています。

サンローランの葬儀の模様から始まり、彼の引退会見、そして二人の出会い。

サンローランとベルジュは同性愛カップルでした。
二人が住んだアパルトマンには、二人が20年かけて「偶然の出会い」を果たした数々の骨董品や調度品、美術品が多数残されていました。

ベルジュは、「もし私が死んでイヴが一人で生きていかなければならないなら、イヴはこの収集品と共に生きていくだろう。彼は、空間に物がないとダメな人間だから。でも私は、これらが羽ばたいて安住の地にたどり着き、その羽をふたたび休めることを自分の目で確認したい」と、オークション会社で有名なクリスティーズで競売に出す事にします。

膨大な数の収集品がアパルトマンから運び出されるのを目にしながら、ベルジュは何度も自分に問うたと言います。
「イヴならどうするだろうか」
でもベルジュ自身は、それらを整理することを決めました。

おそらくそう決めた心情には、サンローランの「遺品整理という点」だけでなく、「自身の生前整理」という面もあったのではないかと感じました。
自分がもし死んだ後には、この収集品~二人の色んな思い出がつまった~は、自分の預かり知らないところで、自分の関知しないところへバラバラに旅立っていきます。

ベルジュにはそれが耐えられなかったようです。
彼は、彼のパートナーとの思い出のコレクションの数々が旅立つ終着先を、その目にしっかりと焼きつけようとしたのでした。

「人生をデザインしてきた人は、最終章までデザインする」

ドキュメンタリーということで、ドキドキハラハラすることもなく、ほぼベルジュのナレーションだけで進行していく映画なので、途中何度も寝落ちしそうになりましたが、この大事な点に気付いてからは、巻き戻ししたり、再度観直したりと、意外にも真剣に観た「イブ・サンローラン」。

ベルジュとサンローランの違いは、ベルジュの言葉にあったように「イヴなら、収集品とともに余生を過ごすだろう」ということ。
そしてベルジュは、サンローランとは全く逆に、「物を整理」したことです。

私達は何となく、物を大切にとっておくことの方が、「物」への執着度が高く、その人との思い出を大切にしている、というふうに取ってしまいますが、私がこの映画を観て思ったことは、必ずしもそうとはいえない、ということです。

ベルジュは、生前のサンローランがクリスチャン・ディオールの主任デザイナーを解雇された後、独立するための資金集めなどに奔走したりと、サンローランを公私ともに支えた50年来のパートナーでした。

サンローランが女性の服や美をデザインし続けるために、ベルジュは彼の裏方の人生をデザインし続けてきたと言っても過言ではないでしょう。
ベルジュにとっては、サンローランの遺品を整理し(お互いの収集品でもあるので、ベルジュの生前整理とも)、その行く先を見届けることは、二人の人生をデザインし続けてきた彼にとっては、むしろ自然の流れだと言えます。

ベルジュは、二人が数十年かけて集めた大切な「物」達を愛していたからこそ、その「物」の行く先を生きている内に見届けたかったのです。

ベルジュは、このことを「収集品の葬儀」と言っていました。
色んな想いを抱えながら決断した行動に、深く大きな「愛」を感じずにはいられませんでした。
それは、イブへの愛だけでなく、二人で過ごした「人生」そのものへの愛なのではないかと。


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この記事を書いたプロ

株式会社スナダ石材 [ホームページ]

石職人 砂田嘉寿子

富山県富山市西二俣612 [地図]
TEL:076-427-1160

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