コラム

 公開日: 2015-06-25  最終更新日: 2015-07-15

お墓はデザインからアートの時代へ! NHK日曜美術館をみて

アジサイが綺麗な季節ですね♪
こんにちは。富山の墓石専門店㈱スナダ石材の墓石アドバイザー 砂田嘉寿子です。

日本人は実は梅雨好きだという記事をみましたが、あの清少納言も雨のしたたるこの季節を「あはれにをかし」と記していたので、梅雨は日本的感性がつまった季節なのかもしれませんね。

さて、私はNHKの日曜美術館が好きなので録画をしてよく観るんですが、この間は昭和の作庭家・重森三玲さんが特集されていました。

枯山水の石庭に魅了された三玲さん。
日本庭園という伝統美に、彼独自の感性と哲学が加えられて、新しい命が吹き込まれ数々の名園を生み出しました。
まさに「永遠のモダニズム」といわれる所以です。

石に魅せされ、石にこだわった作庭家が石を使って表現するものは


東福寺本坊庭園
こちらは、市松模様になった「東福寺本坊庭園」です。
この市松模様は、正面から見て右方向に行くほどに少しずつ散らばっていき、最後は自然と一体化するという、自然界の時間の流れも表現されているようです。


東福寺の龍吟庵では、水から見え隠れする龍の体や尖った口、2本の角を石で表現しています。

水のないところに水を、山のないところに山を、「石と砂」だけで表現する枯山水の庭園。
それは、地球上の限りある資源である「水」を、同じく地球上で枯渇することのない資源である「石と砂」で表現するということです。

その空間は、ただの自然主義的な想像力を超えた、人間の叡知を造形美として表現できる可能性を秘めた場所であることに、作庭家・重森三玲さんは気づいていたのだと思います。
自然で自然を表現する創造力に、人は想像力をかきたてられて思慮する生き物なのでしょう。

また、光明院の庭園を訪れたジャズミュージシャンの菊地成孔さんは、庭園と対話することで音楽が連想されると興奮されていました。
芸術は、さらにまた別の芸術を呼ぶのかもしれません。

お墓という造形物のこれからは

同じ「石」を使った造形物の墓石ですが、この墓石も仏塔からデザイン墓石へと時を経て様変わりしてきています。

宗教的観念が薄れてきたことで、墓石にも「デザイン」という概念が生まれてきましたが、これからは「アート」という概念が付加されるような、そんな可能性をこの番組を観た後に感じました。

それは、お墓本体だけでなく、墓地が庭園のようであったりとか、菊地さんが感じたような組曲が流れ出しそうな「空間」として、もっと表現できることはあるんじゃないかということです。

デザイン墓が亡き人と家族のコミュニケーションの場としての意義を生み出したとしたら、アートなお墓や墓地空間というのは、自然との調和や生と死を見つめることといった場所として、たんにお骨を埋葬する場所だけでなく、新しい創造と想像を掻き立てる空間になるかもしれない、もしなったら素敵だな、と。

アートや芸術と考えると難しく感じるかもしれませんが、それはようするに「新しい世界観を創出」することだと思います。
重森三玲さんも芸術とは新しい創造だと言っています。

古い伝統美を自分の足で追い求め、そして新しい芸術を創造し続けてきた一人の芸術家の仕事ぶりは、また別の新しい発想を連れてきてくれるのでした。

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