コラム

 公開日: 2015-07-17  最終更新日: 2015-08-12

お墓は囲む?囲まない?外柵の意義

こんにちは☆
富山の墓石専門店㈱スナダ石材の墓石アドバイザー、砂田嘉寿子です。

墓石の外柵とは?

お墓の周りを囲む外柵というと、家で言うところの塀のような役割でしょうか。
墓所の周りを囲んで隣の敷地との境界をハッキリさせるため、また外柵をすることで、あの世とこの世の境界という意味と捉えるふしもあります。
しかし、お墓には必ず外柵をしないといけないという決まりがあるわけではなく、墓地によっては外柵を設けることを禁止している墓地もあります。(行政の墓地は比較的、外柵を禁止しているところが多い)

外柵つきのお墓

昔ながらの大きなお墓では、本当に塀のような立派な外柵がつけられているのも見ますが、最近の傾向としては外柵をつけるお墓も少なくなり、つけてもさりげないものになっています。

外柵のあるお墓

こちらは、低めの外柵です。
自分の家のお墓の敷地、空間は守りたいけど、そこまで大きなものはつけたくないという場合におススメです。

外柵と納骨堂が一体化したお墓

こちらは都会に多い、外柵と納骨堂が一体化したお墓。
デザイン性が高いお墓で多い構造です。

宗教建築での「囲む構造」

外柵というのは「囲む」ための役割をになっています。

ちょっとここでお墓とば関係なく、建築で「囲む」ということはどういう意義があるのかを見てみましょう。

建築で「囲む構造」と言えば、宗教建築が思いだされます。
日本では、お寺や神社になりますね。
寺院などは、その空間そのものが囲まれた構造となっています。

古代人は、巨木や巨岩に神霊が宿るという神性を感じ、それらを信仰の対象とし祭るようになります。
いつしかその祭りの対象が、一本の樹や岩から、しめ縄や垣で囲まれた神聖な場所へと、点から面へと信仰の対象が変わり、囲むという「垣」の概念が生まれました。
その物を拝むということから、物がある神聖な場所を拝するというふうに変化していきます。

そして時代がくだり、その「囲む構造」がより顕著な中国大陸の建築物の影響を受けます。
ちょうどその頃は仏教の伝来と重なり、仏教が持つ中央集権的な統治制度は、「囲む構造」の一つの特徴でもある【中心に求心力を求める構造】とシンクロします。
この時代の寺は、回廊が完全に閉じられた形で回廊が塔と金堂を囲む「ロの字型」になっていて、中心をしっかり囲む構造になっています。

さらに時代がくだり浄土教が広まると、浄土系の寺院の回廊は「迎える構造」になります。
これは仏を迎え、浄土へ往生するという思想が、「コの字型」の構造に現れているようです。
<「日本の回廊、西洋の回廊 ~美と祈りの空間~」を参照>

昔のお墓と今のお墓の大きな違いは何?

宗教建築から、またお墓に戻ってみましょう。

大きな外柵によって囲まれていた構造から、低い外柵、納骨堂のデザインに組み込まれる外柵、そして外柵なし、というのが最近の傾向なわけですが、もちろん外柵をつけると高くなるという経済的な理由はあるにしても、少しずつ外観が変わってきて、人の好みが移り変わってきているのには、また別の視点があるのではないかと気付きました。

それは昔のお墓の構造は、「家」を、その親族の求心力を強める装置としても役立っていたものが、社会の変化、家族の変化に伴って、そのような役割は減少してきているということかもしれません。
逆に誰でも迎え入れるような、土台も低いフラットな構造のお墓も増えてきているのには、現代的な象徴であるのかもしれませんね。

こうして考えていくと、お墓の構造もその時代性の特徴を表していて、本当に興味深いですね。

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