お墓を守るプロ
コラム
公開日: 2015-10-14 最終更新日: 2016-10-26
改葬のための富山の墓じまい。
こんばんは☆
富山の墓石専門店㈱スナダ石材の墓石アドバイザー、砂田嘉寿子です。
このコラム、手先に冷えを感じながらキーボードで打っていますが、そんなに富山の晩は冷えてきたのでしょうか?
それとも体質が変わって冷え性になっただけ?
もうすぐ誕生日なので、一つ年を重ねることもきっと関係してるんでしょうね。。
改葬と墓じまい。富山という地方ならではの現象か?
最近、富山出身で都会へ引っ越された方や嫁いだ方からの、富山にあるお墓の解体とお骨の改葬のご依頼が多くなった気がしています。
都市部では墓地不足が叫ばれ、墓石ではなく樹木葬などの合葬形式の行政の墓地が増えていることが問題視されるなどしていますが、ここ富山ではすでに墓地がダブついています。
墓地のなかでも市営墓地への申込みは多いのですが、抽選待ちという方も多く、逆に民営墓地の方は空きが目立ち始めています。
そんななかでの「墓じまい」と「改葬」のご依頼の増加は、地方である富山を表していると言えそうです。
富山にあるお墓を守り続けて…
尼崎にお住まいのM様は、富山から尼崎に引越してから何十年もの間、お墓参りのために富山に来られていました。
今後はお歳を考えて、今お住まいの所でお墓を建てることにして、富山の墓をしまうことを決められました。
解体するところをご覧になりたいと言われ、最後まで工事風景を見守り、写真にその様子をおさめられ更地になった墓所を確認したM様は、
「これで富山に来る理由がなくなったな…」と最後にボソッとおっしゃっていました。
たしかに、尼崎からここ富山の地に呼び寄せたのが、このお墓だったわけですね。
真ん中にある家墓の後ろには、一族のそれぞれの古い個人墓が並んでいました。
実はこのように古いお墓の解体をご依頼いただく方は、古いお墓の写真や工事風景を写真に納められる方も多いんですよね。
お墓が長い年月、家族の象徴であり、そして命の繋がりの象徴であり、ふるさとに向かう目的であったことに、今この写真を見ながらも心を打たれます。
「墓じまい」の背景にも、それぞれの物語がある
メディアで「墓じまい」が、「お墓はいらない」といった流れで紹介されることがありますが、これまで、そして今現在私どもがお伺いしている「墓じまい」では、ほぼ例外なくそれまではそのお墓をご家族で大事に守られていて、だからこそそのお墓をどうしようかと悩まれているというお話で、簡単に終うというイメージでは全くなく、ほんとうに千差万別です。
お墓を建てるまではもちろん、お墓をしまうことにも同じようにそれぞれの家族のストーリーがあるということをヒシヒシと感じています。
ふるさとにお墓があることで「墓じまい」そして「改葬」といったことを、世代を超えてみんなで考え話し合わないといけない方はこれからも増えるのでしょう。
それはたしかにめんどうなことかもしれません。
でも家族間の単位が小さくなり、そういった意味では世代を超えたつながりはどんどん希薄になっていきます。
お墓があることで、また家族が話し合う場が設けられるといった側面もあるのではないでしょうか。
お墓を建てること終うこと、どちらにおいてもお墓は「家族のコミュニケーション」を促し必要とする存在です。
そして、「それぞれがどう生きていくのか?」を考え、尊重しあうキッカケにもなるのかもしれませんね。
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