コラム

2016-02-13

「黄金のアデーレ」に見るアメリカのお墓と忘れてはいけない歴史 編

こんにちは。富山の墓石専門店㈱スナダ石材のメモリアルアドバイザー、砂田嘉寿子です。

趣味の一つである「映画鑑賞」。
映画によっては、葬儀やお墓、墓地のシーンというのが少なからず登場します。
外国映画であれば、その土地の葬送スタイルが観れるという、またとないチャンスなわけです!

私は「死」や「墓」が出てくる映画のシーンが昔から結構好きなんですが、これは「葬送」がその土地やそこに住む人々を端的に表していることが分かるからであり、それは映画の醍醐味の一つなのではないかなと思います。

ユダヤ人迫害の歴史が描かれる「黄金のアデーレ」


黄金のアデーレ
映画では、弁護士ものや裁判沙汰のジャンルも大好きなので、去年の「黄金のアデーレ 名画の帰還」の公開も楽しみにしていました。

実はこの映画、法廷映画としての見どころ以上に、「過去に向き合い、失った過去を取り戻す」という大きなテーマに沿って描かれています。

ウィーンの名家に生まれた主人公・マリアは、第二次世界大戦中にヒトラーにより併合されたオーストリアで、ナチスドイツから亡命し、現在はアメリカに住んでいます(実在のマリアは2011年に死亡)。

その彼女が、大戦中にナチスドイツに奪われた家財であるクリムト作の叔母の肖像画を、新進の弁護士(実は彼のルーツもオーストリア系ユダヤ人)と共に、オーストリア政府からこの手に戻すまでを描いたスリリングなストーリーなのですが、二人が、同胞のユダヤ人迫害という辛く悲惨な歴史をたどっていく姿も大きな見どころとなっています。

土葬が中心のアメリカと火葬中心の日本との違い

主人公・マリアの姉が亡くなり、彼女の葬儀のシーンが冒頭に出てきます。
ロスアンジェルスにある芝生墓地で、マリアが姉との思い出を語り、姉の棺に土を被せるシーンがあります。
アメリカ映画ではお馴染みのこの場面、私たち日本人の埋葬とはだいぶ異なりますね。

日本と違い、アメリカやヨーロッパでは土葬が大半です。
日本はよく「火葬大国」とも言われますが、日本の火葬率は99.97%!(2013年)
対してアメリカでは火葬が30%程度で、州によっても異なり、まだまだ土葬が中心です。

ヨーロッパでは各国により土葬と火葬の割合が違いますが、土葬と火葬の割合は、約半々。
主人公の故郷・オーストリアもアメリカと同じくらいで30%程度が火葬です。
ということは、アメリカでの埋葬と故郷の埋葬は同じ「土葬」であったと推測できます。

ちなみにアメリカやヨーロッパでまだまだ多い「土葬」。これはキリスト教の考え方からきているとも言いますが、実際には各国の状況と照らし合わせても「国土の大きさ」との関連性が大きいように思えます。

「人間は忘れてしまうもの」

遺品を整理していくなかで、叔母の肖像画に関しての手紙を見つけたことから、過去を取り戻そうと奮闘する主人公。
「失うことを経験した」彼女の人生を考えれば、これは大変な勇気がいることだっただろうと推測できます。

家族の大切な美術品をナチスドイツに理不尽に奪われ、そして命を守るために病気の両親と別れ、夫とともに必死にアメリカへ亡命。あの時逃げないと、今彼女はここにいることがなかったと思うと、本当に緊迫感あふれるシーンでした。

そして両親との別れの場面、見張りのゲシュタポにバレないように、こっそりと最後の言葉を交わします。

「君の新たな国の言葉で別れを言おう。Remenber us」(私たちを忘れないでおくれ)

彼女はその父の言葉とともに大きな戦いに挑むわけですが、それは戦前、戦中、そして戦後を見つめた彼女が、「人間は忘れてしまうもの」ということをよく分かっていたからでしょう。

「黄金のアデーレ」はオーストリア政府が所有していた頃は、巨匠の名画の一つだったかもしれませんが、ニューヨークの美術館で展示されている現在は、「歴史に翻弄された人々の軌跡」を背負った作品として、また新たな命が吹き込まれたといえるでしょう。

◇1956年創業、1500件以上の建立実績
  └ご家族の想いをカタチにする墓石専門店
  http://www.e-isiyasan.com/

この記事を書いたプロ

株式会社スナダ石材 [ホームページ]

石職人 砂田嘉寿子

富山県富山市西二俣612 [地図]
TEL:076-427-1160

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
とやま終活カフェ 
富山 終活 遺言 エンディングノート

2016年度の「とやま終活カフェ」は、現在4回まで講座を行ってきていますが、これまでの活動と今後の講座のご案内を、新しいWebページでご覧いただけるようになりまし...

まもりびと
墓守

「あなたもわたしも いつかは まもりびと」大切なご両親、最愛のパートナー、愛しいわが子が眠るお墓を守るひと。また、ふるさとから遠く離れた場所で、故郷の墓を...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
砂田嘉寿子 すなだかずこ

デザイン墓石で想いをかたちにするお墓づくりをサポート(1/3)

 スナダ石材は“想いをかたちにするお墓づくり”をモットーに掲げ、施主の要望に応えるオリジナルデザインの墓石を数多く手掛けています。メモリアルアドバイザーの砂田嘉寿子さんは「お墓づくりは個人と家族の時間に想いを寄せるきっかけにもなります。自分...

砂田嘉寿子プロに相談してみよう!

北日本新聞社 マイベストプロ

お墓の改葬・墓じまいについての悩み解消

会社名 : 株式会社スナダ石材
住所 : 富山県富山市西二俣612 [地図]
TEL : 076-427-1160

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

076-427-1160

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

砂田嘉寿子(すなだかずこ)

株式会社スナダ石材

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
このプロへのみんなの声

お母様の納骨法要前に墓石をクリーニング

お母様の納骨法要までに、お墓をキレイにしてほしいというご...

S様
  • 50代/男性 
  • 参考になった数(0

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
【徳川幕府滅亡から150年】時代の転換期に私たちができること
イメージ

今日で9月が終わりますね。明日から10月が始まり、衣替えの季節。ついでに、149年前の旧暦10月14日(18...

[ お墓のまもりびと ]

隣に新しい墓が建った!40年以上経ったお墓のクリーニング&プチリフォーム
イメージ

とつぜんですが、「席替え」の日って、ドキドキしませんでしたか?席替えで隣の人が変わったときは、それだけで...

[ 墓石クリーニング リフォーム 施行例 ]

【花と人とお墓】花は人を連想させ、人は花にたとえられる。
イメージ

こんにちは☆富山の墓石専門店㈱スナダ石材のメモリアルアドバイザー、砂田嘉寿子です。去年にこちらのお墓をご...

[ 施工例 ]

【ご相談事例】Aさまの場合「実家の墓に別の宗派の題目が刻まれていた!」
イメージ

こんにちは☆富山の墓石専門店㈱スナダ石材のメモリアルアドバイザー、砂田嘉寿子です。台風による雨もおさまり...

[ 墓石に彫る文字のはなし ]

「超高速!参勤交代」のもう一つの主役は「家紋」だった!?
イメージ

こんにちは☆富山の墓石専門店㈱スナダ石材のメモリアルアドバイザー、砂田嘉寿子です。2014年に公開された大ヒ...

[ 墓石の彫刻 家紋 花 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ