コラム

2016-05-20

「石は祈りの象徴」というのは世界共通認識!「映画・顔のないヒトラーたち」を観て

今年はかなり暑くなるらしいです…。
あ~、半袖になる前に痩せないとと思いながら、納骨法要でいただいたお饅頭の食べ比べをしている、富山の墓石専門店㈱スナダ石材のメモリアルアドバイザー、砂田嘉寿子です。

先日、DVDを借りて観たのが、あのアウシュビッツでの虐殺を世に知らしめることになった裁判までを描いた「顔のないヒトラーたち」というドイツ映画です。

ドイツ人みずからが自国の歴史を見つめ、「ナチスドイツ」の責任に立ち向かった苦悩が、金髪のイケメン俳優演じる若き検察官のブルーアイズ(青い目)をとおして描かれています。

アウシュビッツの存在を知らなかった戦後当時のドイツ人

舞台は1958年の西ドイツ、フランクフルト。
戦後の復興に意気盛んな人々は、先の戦争の悲惨な記憶を忘れ去ろうとしていました。
そんなとき、教師などの仕事に就いてはいけないという規則があるにもかかわらず、元・ナチス親衛隊の一人が学校で教師をしていることが発覚。
そのことをきっかけに、アウシュビッツで行われていた大量虐殺について知っていく、駆け出しの検察官・ヨハン。

現在「アウシュビッツ」と言えば、ナチスによって非人道的な行為が行われた収容所ということを私たちはすぐに思い浮かべますが、戦後のその当時はアウシュビッツを生き残った人々とその関係者くらいしかその現実を知らず、ドイツ人、そのなかでも戦後の若者は、アウシュビッツ収容所の存在すら知らない人も多かったのです。

若き検察官・ヨハンも同様で、これをきっかけに、ドイツ人によるドイツ人への戦争犯罪を突きとめていくのです。

人は記憶とともに生きる。だから祈る。そこに「石」がある

そんな孤軍奮闘していたヨハンですが、実はヨハンの父もナチスだったことが判明しました。
自分にはナチス親衛隊を裁く権利がないと失望し、裁判を降りようとしていたところ、アウシュビッツ収容所で妻と二人の娘を失ったユダヤ人のシモンの願いを叶えるために、ジャーナリストの友人とアウシュビッツへ向かいます。

ユダヤ人・シモンの願いは、アウシュビッツで死んだ妻と娘たちのために祈ること。
体を壊したシモンに代わり、その地を訪れた二人。そこで友人にこう言われます。

「ここに何が見える?今はただの牧草地だ。ここで行われた残虐な行為を忘れさせてはいけない」

「裁判をしなければ記憶は忘れ去られる」ことに気が付いたヨハンは、1963年12月、ついにアウシュビッツ裁判の初公判を迎えます。

アウシュビッツで、シモンの妻と娘たちのために祈りをささげるシーン。
石を積み上げるヨハンと友人。
石と祈り 「顔のないヒトラーたち」より
そして、ユダヤ教の帽子を被り、旧約聖書(?)を広げて祈り始めます。
祈り 「顔のないヒトラーたち」より
この祈りという行為があったからこそ、諦めずに裁判を乗り切ることができたのかもしれません。

石に祈りをささげるのは世界共通だった!

石を積み上げてあるシーンというのは、日本映画でもあります。
これは堺雅人さんが主役を演じた「日輪の遺産」。これも戦争を描いた映画です。

祠に積みあがった小さな石たち。
石と祈り 「日輪の遺産」より
生き残った女学生が、犠牲になった仲間が死んでいった地にあるその祠と石に花を供え、手を合わせます。
石と祈り 「日輪の遺産」より

「日輪の遺産」の方をずっと先に観ていたこと、そして日本各地に残るこういった石の小さな小さな墓。
「石と祈り」は日本独特の文化と思っていた節がありましたが、これは世界共通、いや人類普遍の共通認識だったようです。

歴史認識は国によって様々、時代や人によっても変わるものですが、「石と祈り」はそういったものを超えていることを、あらためてこの映画で知ることができました。

この記事を書いたプロ

株式会社スナダ石材 [ホームページ]

石職人 砂田嘉寿子

富山県富山市西二俣612 [地図]
TEL:076-427-1160

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