コラム

 公開日: 2016-10-03  最終更新日: 2016-10-26

お墓は写真とよく似ている。あることを感じさせるという点において

当たり前のことかもしれませんけど、最近思うことがあるんですよね。
それは「達人」と呼ばれる人たちの発する言葉が、その作品同様に味わい深く、たくさんのメッセージに富んでいることを。
表現者であれば作品のクオリティーが何よりも一番重要になるんでしょうが、その一流の人たちが選んで発する言葉にも、考え抜かれた重厚さ、思慮深さがあるんです。

写真家が考える「人間」と「動物」の違い


Eテレ switch 杉本博司

9/24のEテレ(またNHKかい!)の「SWITCHインタビュー 達人達」を見てもそのように感じました。
「現代美術作家・杉本博司×,建築家・田根剛」のトークのテーマは「時間」、「終焉」だったのですが、こちらのお二人がともに生み出している作品なり物に共通しているテーマにも「終焉」があります。

とくに杉本博司さんは写真家でもあり、写真を通して考えてきた「人間とは?」という問いに対しての答えに、私自身も膝を打ちました。
それは「時間意識がある」ということです。

人間と他の動物との大きな違いは、人間には時間の観念があること。
これがあるから農作業などの「計画」ができるようになり、また時間という観念があるために、言葉や絵、または写真などで時間を記録することができるようになりました。

写真と墓石

写真は今ある現実の一部を切り取ったように思うかもしれませんが、写真を見るとき、それははすでに過去になっているわけで、写真は時間意識そのものであります。

墓石が語る「時間感覚」

この話を聞きながら、墓石に限らず、石の建造物から感じる感覚こそ、まさにこの時間感覚だと思ったわけです。
石というのはどんな石ころでも、そこに自然の悠久な時間の流れを記録しています。

石ころ

さらに家族の時間が刻まれているこの墓石というのは、「時間をカタチにしたもの」でもあると言えるんじゃないでしょうか。
不肖、メモリアルアドバイザーの砂田もこの仕事をとおして、少なからず「人間とは」ということを考え続けて10年以上経ちました。
そんな私が「写真アルバムのようなお墓づくり」をコンセプトとして、「お墓とは思い出の写真がつまっているアルバムそのもの」とお墓をイメージしてきたことは、たわけた夢ではなかったようです。

無常観とお墓

このSWITCHインタビューでも、たびたび使われていた「無常観」。日本人が古来から感じている時間意識です。
私がお墓について想うことにも、この「無常観」があります。

これは生きていれば嫌でも誰もが感じていくものですが、都会化が進み、便利になり、そういったことをなるべく感じにくくなっているのが私たちの生きている現代です。
これは良い、悪いという意味ではなく、脳がそうできているからしょうがないことです。

逆にこの無常観というのはもっと体感的なものであり、それを感じる場として「墓石」があると思っています。
風雪に耐えて建っているこの石の造形物は、長い時間を経て変化してきた地球そのものです。
これが「花」のようにすぐに変化していく有機物や、風に消えていく火や線香と合わさって、より「無常観」を私たちに植え付けているように思うのです。

お墓 供花 線香

これは樹木葬などの新しい葬送では感じ得ることができない感覚だと思います。
そしてこの無常観を感じる場が少なくなっていくことは、大きな機会損失になるのではないかと感じます。

墓石の物としての力に惹かれ続けて

私はお骨に対してはそう執着しなくても良いし、先祖崇拝も一般のサラリーマンで、しかも転勤や移動が多い人たちに課するのは無理があると考える新人類ですが、墓石の物としての発信力は強く信じています。

経済面、そして家族や土地とのつながりなどがあることが前提になるとは思いますが、墓石を建てたいと思う人がそれでも一定数いるであろうと確信するのは、私たちのどこかにこうした感覚が備わっていて、それは簡単には消えないものだと思うからです。

◇1956年創業 「お墓のまもりびと」をサポートする墓石専門店
http://www.mamoribito-toyama.com//

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