コラム

 公開日: 2017-09-12  最終更新日: 2017-10-07

年賀状の衰退にビビる郵便局と同じ構図を石材業界に見た!

私たちも含め、葬祭業界ではとうぜん「先祖と供養」が普遍的なテーマとしてあると思います。

葬儀社さんはともかくとして、石材業界ではこの「先祖供養」をあまり今まで打ち出してこなかったせいで、お墓離れが起こっているという反省点があるようで、今ここに力を入れている感があります。

では私たちスナダ石材はどうかと言うと。
こんな商売をしているので、「代々」という言葉には敏感ですし、私個人的なことでいうと、顔も見たことのない砂田家の先祖を守る立場です。そしてそうすることで得られる心の豊かさを実感しています。

だけどこの先祖供養を強く訴えることに違和感を持っているのも事実であり、そこを少し語りますね。

年賀状とお墓はよく似ている!?

年々、年賀状を出す人が減ってきているというニュースを目にしたことがありますが、あなたは年賀状をだしていますか?
何とか減少を食い止めたい郵便局も、いろんな手段を使って年賀状の素晴らしさを訴えています。
たとえばまだ記憶に新しい、2015年版のこのCMなんかは、すごく特徴的だったと思います。



これは「結婚してちゃんとした大人になった二人が初めて出す年賀状」という場面を設定したCMでした。
キャッチコピーも「ちゃんと年賀状。ちゃんと大人。」

電通報より

ただしこのCMは反発を生んだようで、 日本郵便「年賀状を出さないのは大人になりきれない社会不適合者だと煽っていると批判されました。

年賀状は「年始の挨拶」をするためのモノで、それが時代とともに写真つきに変わったり、パソコンでかわいく、オシャレに作るようになっていきましたが、「新しい一年の幕開けを祝い、人と人とが挨拶をかわす」コミュニケーション・ツールであることは今も昔も変わりありません。
 
年賀の歴史にあるとおり、年賀を祝うことは人類の普遍性を表しています。
では年賀状を出さなくなってきている現代人は、年賀を祝う気持ちや年始の挨拶を交わさないようになってきているのでしょうか。

答えは否です。
ツールこそ違いますが、SNSでは年賀用のスタンプが発売され、SNS投稿で年賀の挨拶を行う人もふえています。
「年賀状」というモノがこういった新しいテクノロジーに取って代わられた部分はあるにせよ、年賀の心は失われておらず、普遍的な部分だけが生き残っていることがわかります。

また発行枚数が激減…、もはや年賀状は不要なのか? の記事にあるように、年賀状が減っているといっても、個人利用はそれほど大きく減ってはいないのだとか。そして逆に年賀状のトレンドは、「手軽で高品質へ」と移ってきているということです

この年の郵便局の年賀状アピールは、今の「お墓」に関する石材業界の対応と非常に類似するところがあります。
お墓の建墓数はたしかに年々減ってきていますが、お墓参りに行く人が減っているわけではなく、また先祖を敬う気持ちが減っているという確証は得られていません。
むしろ、先祖とのつながりの実感を無意識に求めていると感じられることが多々あります。

それなのに私たち業界側が発信するものは、「お墓参りに行こう」や「ご先祖さまを大切に」というのがほとんど。
そろそろ、「言われなくても行ってるし」とか「お墓がないと先祖を大切にしていないことなのか?」という反発心を生むのでないかと冷や冷やしていますが、もしかしたら私自身がこの右へ倣え的な動きに抵抗を感じているのかもしれません。

それは事例からも感じることです。
最近、別々のご家族の「お骨のおまとめ」をさせていただきました。
一件は墓石リフォームのための改葬、もう一件は県外への改葬のための墓じまいです。

今あるお墓をリフォームするのとしまうのとでは、仕事内容がまったく違います。一方は「お墓をつくる」ことで、一方は「お墓を壊す」ことなので、真逆の仕事になるわけですね。
しかし「お骨のおまとめサポート」( https://www.mamoribito-toyama.com/お骨のおまとめ/)はどちらもやることにそう違いはありません。
納骨する場所がお墓なのか、納骨堂なのかで、新しいお骨壺か骨袋かの違いはありましたが、どちらのお家も同じだったのは、お骨をそれぞれ「個別にしておく」ということでした。
なかには、すでに50回忌を過ぎたご先祖さまもおられるので、その方たちのお骨はまとめるのかなと思っていたのですが、一緒にせずに個別にしたいということでした。

今あるお骨壺にはそのご先祖さまのお名前が記されていますが、新しい骨壺・骨袋には記されていません。それに気づいたお客さまは、各ご先祖さまのお名前がわかるように、お名前を記したメモ書きをそれぞれの中にお入れになったのです。

お墓のまもりびと

お墓のまもりびと

そしてそこには、「若いお墓のまもりびと」がいたことと大いに関係しているような気がしてなりません。
若い方たちが率先して、そのご先祖様について「これは〇〇だね」と会話されていたのが印象的でした。なかにはお骨がない方もおられたのですが、その方も一柱として納めたいとおっしゃっていました。

先祖供養は「それぞれ」だということを忘れたくない

「先祖供養」を強く訴えることは、郵便局のCMとは違い、なんの害もないことなのですから、風当たりが強くなることはないかもしれません。アピールする側にも「これが今の世の中に必要なことだ」という強い信念があるのだろうと思います。

ただ私が危惧するのは、私たち一般企業なり団体が「先祖」や「供養」という文化的&宗教的文脈を持つ存在に対して啓蒙活動をしようとすることです。
そんなおこがましいことはやりたくない。
また、「先祖」や「供養」を強く打ちち出すことは多様性を阻害し、私たちの業界そのものがまったく新しい価値を生み出せていない証のようにさえ思えてしまうのです。

これが「儒教」や「朱子学」などの大切さを説くという宗教&哲学的な思想に基づくものであれば、それはそれで尊重したいと思うのですが、一方で新しい考え方や多様性を理解する姿勢を打ち出しながら、一方で先祖の大切さを説くというのは、どうも矛盾を感じます。

「思い出す必要はない。忘れたことなどないのだから」
誰かがこんなことを言っていました。
もしこの人に「故人を、先祖とのつながりを思い出せ!」と訴えるのであれば、こんな滑稽なことはありません。
その人はそもそも忘れたことなどないのだから、思い出すということをしなくて良いのです。

まとめ

私たちの業界を取り巻く現状をわかりやすく理解していただけるように、郵便局の年賀状と比較をしてみました。
どちらも歴史と伝統が根付いているため、いろんな考え方があると思います。

そんな中、私が感じていること、そして大切にしたいことは何かというと、安易に「全体を語らない」ことです。
目の前の「お墓のまもりびと」がどうなのかが最も大切なことであり、そこに寄り添えるかどうか、必要とされるかどうかだけなのです。
全体に目を向けるのでなく、一人にフォーカスすること。「まもりびと」への想像力を働かせることを、これからも自分のモットーにしていきたいと思います。


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