コラム

 公開日: 2011-02-18  最終更新日: 2011-02-19

患者さんの常識と歯科医の非常識


たまたまネット上で、以下のようなアメリカ在住の
日本人のお母さんの書き込みを見つけました。

http://oshiete.goo.ne.jp/qa/4737538.html

要約するとアメリカで、ある歯科にかかろうとしたが「費用が高い」
「アマルガムが心配」だったが、もっと評判のよい歯科にかかること
ができた、という以下のような内容です。

>値段も良心的(正気ガスの代金も最初の一回分だけ、レントゲンも無料にしてくれたり)
>前の歯医者で処方された薬も使用しないしラバーダムも使わない。
>日本で通っていた歯医者にされた縛りや器具で口を固定なども
>全くなく、とにかく子供に始終話しかけて褒めて励ましておでこに
>キス…と、黙って横たわってる我が子にびっくりしながらも
>実に手際の良い治療で感心しまくりでした。
>長くなりましたが、今回の件は最初の歯医者がいかに金取り主義で
>あったかが歴然とした経験でした。

「値段も良心的」

値引きしてくれたとのことですが、
日本の健康保険では違反行為です。
自由診療の高額な治療費を払う所なら、随時値引きはあります。

「最初の歯医者がいかに金取り主義であったかが歴然」

NITROUS ANALGESIA (笑気ガス) - $114.00
THERAPEUTIC PULPOTOMY (歯髄切断法) - $182.00
CHROME CROWN (クロムの歯冠)   - $267.00
Amalgam - 2 Surfaces (アマルガム修復) - $156.00
CHILD PROPHY (チェック&クリーニング) - $57.00
FLUORIDE (フッ素) - $35.00
---------
total $811.00

料金表をみても、おそらく米国の治療費としては
そんなに高額ではありません。

費用の点は、日本の健康保険に慣れた方には高いと思われるかも
しれませんが、
日本の歯科治療費は『世界平均の』10−25%であることを
知っておかれた方がよいと思います。(国際歯科ニュースより)
つまり世界平均で100万円で売られている自動車が
日本では10−25万円で価格統制されている状態ということです。

「今度、アメリカへしばらく行くので、歯科治療を全部
してしまってほしい」と留学前に来られる方には
「アメリカの方がいい治療受けられますよ。それも勉強でしょ。」
とお勧めしています。
もちろん自分の治療の方がよい、と思っていますけど。

「ラバーダムも使わない。」

ある意味で危険な治療に分類される行為です。
ラバーダムは必要な場合がある。
術者がそれを知った上で、状況を判断して使わないことはあります。




「前の歯医者で処方された薬も使用しない」

前医は小児の鎮静に通じた歯科医師だったのでしょう。
笑気では鎮静できない子供がありますので
前投薬を用意していたのです。
ここらあたりまでは一般開業医でも対応できるところです。
後医でもし鎮静できなければ
「日本で通っていた歯医者にされた縛りや器具で口を固定など」を
されたか、全身麻酔ができる施設へ紹介されたか、だと思います。

抑制治療は技術的に優れた小児歯科専門医がしないと
単なる乱暴な「縛りや器具での固定」になってしまいます。
数年に一度は死亡事故が報道されています。
日本では笑気鎮静さえあまり普及していないので
前投薬は珍しい話に思えるのでしょうね。
アメリカでは鎮静の難しい小児には静脈内鎮静法や全身麻酔も
使用されます。
日本でも使用するところはありますが
採算が合わないので大学病院や一部の専門医に限られています。

当院にも、「鎮静法」のホームページを見て
「縛りや器具で口を固定など」されたが治療がうまくいかず
「全身麻酔を希望して大学病院を受診したが断られた」という
東京の患者さんが、飛行機で来院されたことがありました。

http://ameblo.jp/soudaink/entry-10155774887.html


こういう書き込みを米国でされなかったことは幸いでした。



この記事を書いたプロ

こじま歯科医院 [ホームページ]

歯科医 児島三津男

富山県富山市二口町4-4-2 [地図]
TEL:076-493-7399

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