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コラム

2011-12-02

グループ・カウンセリングの実際 (米国で私が参加したもの)

「カウンセリングの実際」のその6として、今回は、私が米国滞在中に経験したグループ・カウンセリングの
うち、今まで触れなかったものについて手短かにお話しいたします。

いずれも私がデンバー大学大学院(コロラド州)カウンセリング心理学博士課程在学中だった2002年から2010年の間に、カウンセリングの実習の一環として参加したものです。

それは、1.州立精神病院での性犯罪者のグループ・カウンセリング、2.先住民(ネイティブ・アメリカン)に対する薬物依存治療施設でのグループ・カウンセリング、3.男子少年院での問題行動別グループ・カウンセリング、及び、4.拘置所での女子収容者のDVや薬物依存のグループ・カウンセリングです。

○州立精神病院での性犯罪者のグループ・カウンセリング

  対象者は、性犯罪を起こしたものの精神障害により裁判に立てないとして、治療優先のため精神病院に送られた男性のグループです。

  カウンセラーは女性の心理学者でした。驚いたのは、グループ・カウンセリングの最初に、彼女が一人
一人に対し、前回から今日までに自慰(マスターベーション)を何回したか、何時どこでしたか、その時何を想像したか、などを詳しく聞いたことです。

  ふつうカウンセリングというと、カウンセラーは相手を受容することに心掛けるがける、という具合に捉えられがちと思いますが、それだけではなく、相手によっては厳しく対決することもあるのだ、と感じました。
  ただし、カウンセラーの女性心理学者自身も、最初は男性に自慰について詳しく聞くのには抵抗があり、うまく聞き出せるようになるまでには時間がかかったと言っていましたが。

  この対決型のグループ・カウンセリングは、次の薬物依存の先住民(ネイティブ・アメリカン)に対する
処遇としても行われていました。

○先住民(ネイティブ・アメリカン)に対する薬物依存治療施設でのグループ・カウンセリング

  そこでは、一人一人が皆の前で自分の半生を発表し、その中で薬物依存に至った理由について詳しく自己分析することを求められていました。そして、もしその自己分析が中途半端であれば、カウンセラーや他のメンバーは鋭く質問をしていました。

  以上のグループ・カウンセリングに参加して感じたことは、問題行動に対するカウンセリングの場合、単に受容するのではなく、問題行動を起こしたという現実を直視させることが大事なのだ、ということです。

○男子少年院での問題行動別グループ・カウンセリング

  私が実習した二つの男子少年院は、非行の他に精神障害も併せ持つ処遇困難な少年ばかりを収容していました。そして、いわゆる「治療共同体」の理念の下、24時間の生活の全てが問題行動の改善に向けられていました。そのなかで、暴力・性犯罪・薬物依存などの問題行動別のグループ・カウンセリングが
毎日行われていました。

  参加していて一つ分かったことは、暴力や性犯罪などの問題行動を起こす背景には、幼少時に自らも
その被害者だった場合が多いということです。言い換えれば、結果的に自分の親と同じ問題行動を繰り返しているということです。

  このことは結局、社会行動の模範となる対象(ロール・モデル)を欠いて育ったことによるのではないか、と思いました。このロール・モデルを欠いたことにより被害者転じて加害者になるということは、次の拘置所での女子収容者に対するDVや薬物依存のグループ・カウンセリングでも感じました。

○拘置所での女子収容者のDVや薬物依存のグループ・カウンセリング

  参加して気がついたことは、夫や恋人から暴力を振るわれた被害者である女性が、自分の子供には暴力を振るっているということが多かった、ということです。
  
  以上、様々な施設での様々な対象者に対するグループ・カウンセリングに参加して分かったことは、人間行動や対人関係とは複雑であり、色々な要因が作用しているということです。

うつ心理相談センター所長
心理学博士 (PhD University of Denver USA)
村田 晃


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心理カウンセラー 村田晃

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